余計に忙しい

こんばんは。4月も下旬になり、もうすぐGWですね。

4月からは気合を入れて図鑑制作を進めますとか言いながら、結局あれやこれやとやることが次々に出てきて、なんかいつもよりも余計に忙しい感じ。
渡り鳥の調査シーズンで、カウント調査のために九州の干潟に行ったりはしているんですが、それぐらいで精一杯かなぁ。
また今オンライン講演を2つほど頼まれていて、そのパワポも作らなければなりません。。。

さて、写真はハサミシャコエビとその鰓室に寄生していたエビヤドリムシ科。

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左の鰓室に入っていたペア。

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右の鰓室に入っていたメス。オスは見つからず。


先日、渡り鳥の調査を終えて少し時間が取れたので、九州の某河川でイドミミズハゼを探して河原を掘ったり、埋もれた石をめくったりしていたんですね。
イドミミズハゼは残念ながら見つからず、何度かチャレンジしているんですがなかなか難しいですね。
イドミミズハゼの水槽で撮った良い写真がないので、何とか見つけてきれいに撮影したいと思っています。
それで、黙々と河口で埋もれた石をめくっていると、ハサミシャコエビが出てきて、よく見ると鰓室が変に膨れている。それも左右両方が膨れている。
これはエビヤドリムシ科が寄生しているだろうと思い、採集してきました。

アナジャコ類とかスナモグリ類の鰓室に寄生するエビヤドリムシ科は結構知られているんじゃないかと思いますが、ハサミシャコエビの鰓室に寄生するのは知られていないんじゃないかなと思うので、写真を挙げておきます。
左右の鰓室両方に寄生していましたが、左と右とで写真を左右反転したかのように形態が逆になっているのが面白いですね。
オスが細長くて、しっぽが伸びていてカッコいいですね。
このエビヤドリムシ科、なんかどこかの論文で見たことあるような・・・ちょっと探してみましょう。

で、これも「河口干潟の生き物図鑑」に載せるのか、という話。
ハサミシャコエビはまさに河口干潟の生き物なわけですが、うーむ、また見つけてはいけないものをみつけてしまったような(苦笑)

この記事へのコメント

  • 初めまして,コメント失礼いたします.
    ハサミシャコエビ寄生のエビヤドリムシはCoxalione inaequalis Bourdon, 1977かもしれません.Itani (2004)にて国内から記録されているようです.原記載ではスケッチがあります.

    Itani, G. (2004) Host specialization in symbiotic animals associated with thalassinidean shrimps in Japan. Tamaki, A. (ed), Proceedings of the symposium on "Ecology of large bioturbators in tidal flats and shallow sublittoral sediments -from individual behavior to their role as ecosystem engineers." Nagasaki University, pp. 33-43.

    Bourdon, R. (1977). Sur un nouveau genre de Bopyridae parasite des Thalassinides (Crustacea, Isopoda, Epicaridea). Steenstrupia. 4: 167-170.
    2023年01月12日 12:14
  • magokorogai

    そ さん

    はじめまして。コメントありがとうございます。
    ハサミシャコエビに寄生していたエビヤドリムシについて、情報ありがとうございます。
    教えていただいた文献の原記載のスケッチも確認しました。たしかに非常によく似ていて、Coxalione inaequalis Bourdon, 1977が国内でも記録されていたということで、これの可能性が高いですね。
    これはカッコいいエビヤドリムシで、この時以来見つけていないので、また意識してハサミシャコエビを見て行こうと思っています。

    2023年01月13日 16:32
  • magokorogaiさん

    私は南九州沿岸と琉球列島をフィールドにしていますが,本種はまだ一度も見れていないので,寄生率が低いor局所的に生息するエビヤドリムシ類なのかと思っています.
    いつもブログを楽しく見させていただいておりますが,今後とも,更新を楽しみに待っております.
    2023年01月14日 12:23
  • magokorogai


    >そ さん

    いつもブログを見ていただいてありがとうございます。
    更新頑張ります。

    私もハサミシャコエビは各地で多数見ていますが、このエビヤドリムシが寄生していたのはこの1回だけしかみたことがないので、寄生率が低いか局所的に生息するものかもしれないですね。
    この写真の個体は九州北部の瀬戸内海沿岸の流入河川ですが、南九州や琉球列島でもぜひ探してみてください。
    2023年01月16日 10:42